福寿草
12/112

10 四月十九日は私たちの結婚記念日。ことしは銅婚式です。主人と二人で人生を歩み出してもう十五年、長いようで短い年月であった。私は小さい時から母がどんな戦後の食物のない時でも、誕生日などはきちんとしてくれたせいか、誕生日とか結婚記念日などは大切にしたいと思っている。 それで結婚して初めての記念日は、二人で山陰方面に一泊旅行し、一年間の反省をして「これからもよろしくお願いします」といったのが、つい先日のように思い出される。これからも毎年一泊旅行をと約束したが、その次の年からは子供が出来たり小さかったりで、一日を近くで楽しく過ごすことにし、子供が主体になってしまい、四月十九日は動物園めぐり、そして小学校入学と同時にこの行事は春休み中にと四月の初めに変わってしまい、それから私の体が悪かった三年間は休み、昨年からまた開始した。今年も先日、親子三人で京都へ出かけ、平安神宮のお庭のしだれ桜の美しさに感嘆、健康で過ごせる幸せを胸いっぱい味わって来た。二男坊の主人と何もないスタートをきってから一生懸命共働きして、土地を買い、家を建て、そして私の病気などいろんなことがあったと、十五年の歳月の流れが走馬燈のように思い出される。いつの間にか、小学校六年の一人娘も一五八㌢銅婚式掲載日:1976年(S51)4月19日「泉」・39歳

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です