福寿草
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14 昨年六月から新聞配達を始め、今日まで無事故で頑張っています。動機は娘がぜんそくになり、早朝の新鮮な空気を吸わせたくて、自宅周囲わずかな部数ですがやっています。配達は「新聞が作られる上でいろいろな方々が苦労されて出来上がった物」をアンカーの私が汚したり、傷めてはいけない、間違ってもいけないと配達が終わるまでは緊張しています。 今年の正月、分厚い新聞を持ってある家に行くと玄関に段ボール箱が置かれ、その中に「あけましておめでとうございます。配達ご苦労さまです。今日は多いのでこの箱に入れてください」とあり、うれしくて涙がほおを伝いました。八十七歳で独り暮らしのHさんです。それからポスト通信が始まり「寒くても雨や雪が降っても風が吹いても世界の出来事、日本の出来事を届けてくださる配達の方に感謝する」との手紙や「身近に音ひとつなき午前五時かすかに聴こゆ朝刊の来し音」の歌をいただきました。 販売店のご家族の方々が旅行や忘年会に招いてくださったり、皆さまに支えられ、続けられたことに感謝しています。娘も今年になり一度も風邪をひかず元気に二人で頑張っています。さわやかな一日のスタート、今日も頑張るぞ!!掲載日:1998年(H10)12月29日「ちまた」・61歳新聞配達通し皆の好意知る

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