福寿草
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33 私は町の水道検針を奇数月、年に六回しています。この仕事を始めた時、メーターのふたを開けるとカエル、ナメクジ、アリなど、また水がたまっていて泥をかき出さないと仕事にならず、四苦八苦して泣きたくなったこともありました。 でも町営団地には高齢の一人暮らしの方が多く、Hさんはいつも「水道のお姉さん」と呼んでくださいます。暑い時や寒い時にはコーヒーなど買ってくださり、私も夫が作ったブドウなど持って行くと「初ものじゃ、バアさんに供えてから」と喜んでくださいます。 以前一人暮らしのYさんが庭にうずくまっておられ「どうしたん」と言うと「転んで動けない」という。すぐに救急車を呼び、Yさんは病院へ。そしていつも会うたび「命の恩人や」と言ってくれる。 このほか冷茶を作って待っていてくれるUさん、アメをくださるKさんなど素晴らしい人ばかりです。「水道のお姉さん」は皆さんと笑顔で接し、幸せで検針が苦痛でなくなりました。 これ以外にもボランティアでデイサービスセンターへ行き、高齢者の方々とお話をしたり、私より年上の方とお話しでき、いっぱい元気をいただき頑張っています。掲載日:2006年(H18)3月1日「ちまた」・69歳高齢者出会い 元気をもらう

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