福寿草
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36 わが家の一人娘が高校一年生の時、男子生徒にブスだと言われたと泣きながら帰宅しました。私は涙が出て、どのように声をかけたらよいのかわからず、言葉を失いました。 日曜日、娘は私の母宅に行きました。母は「人間は顔ではない、心の美人が一番。あなたは優しい子でおばあちゃんは大好きよ。これから教養を身につけ、いつも笑顔でいると、教養の美が顔に出て自分の顔になるのよ」と励ましてくれました。 いま娘は結婚し幸せに暮らしています。私は母の墓前でいつも娘の様子を報告しています。 お正月にテレビを見ていたら、占い師が出演する番組で、小学四年の女子生徒が「いつも男子生徒からブス、ブスと言われる。どのように言ったらよいか」と泣きながら質問しました。 占い師の先生がその子の顔をなでながら、「顔ではない、心の美人が一番だよ」と優しく語りかけ、母親が小学校教師だと分かると「自分の子どもがこんなに悩んでるのになぜ助けてやらないのか」ときつく言われました。 昔、子どもの心をいやす言葉を出せなかった自分を反省、手探りで子育て中だった日々を懐かしく思い出しました。掲載日:2006年(H18)7月6日「ちまたの風」・69歳心の美人

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