福寿草
42/112

40 平成十六年、本紙に連載された「間島の夕映え」の著者で元山陽新聞記者日髙一さんを招いた講演会が十日、和気町図書館であり、参加しました。掲載されていたころは一番にこのコーナーを読み、最後のころは朝から涙、涙でした。掲載が終わり本が出版されたことを知り、新聞社に注文しましたが売り切れていて手に入りませんでした。 日髙さんは旧満州(中国東北部)間島での終戦前後のお話をしてくださり、ソ連軍の侵攻、略奪、暴行、飢えについて触れられました。祖父母、母、弟や妹五人を亡くし、弟さんと二人で帰国されるまでの日々をお聞きし、私はよくぞ頑張って日本に帰られたと涙しました。日髙さんは「父親への『報告書』のつもりで書いた」とも話されました。 私も大阪で父が歯科医院をしていましたが、戦時中に亡くなって、父の残してくれた貯金も預金封鎖になりました。疎開した母の実家も農地改革で田畑がなくなり、一度に貧しくなりましたが、母が大変苦労して私たちを育ててくれました。日髙さんから実際のお話を聞き、外地におられた人々の方が大変だったと分かりました。 これからも絶対戦争はあってはいけないと強く思いました。掲載日:2007年(H19)2月18日「ちまた」・70歳日髙さん講演 戦時苦労に涙

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です