福寿草
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41 長い間夢みていた四国八十八カ所霊場巡拝。昨年三月、夫と一緒にバスで一番札所霊山寺(徳島)から始め、今年二月、結願寺・大窪寺(香川)の本堂でのお経唱和は感慨深く涙の読経でした。そして霊山寺へお礼参りをしました。 夫は六十歳で退職したら歩き遍路に行きたいと、「四国霊場四季暦」(横田賢一著)を読みふけっていました。しかし七十歳の誕生日まで勤務したので歩きは難しく、旅行社に申し込んで一年かけて十六回で巡礼しました。 最初のころはついて行くのがやっとで、読経も何が何だか…。でも優しい先達Mさんや笑顔のすてきなIさんに励ましていただきながら旅を続けました。 白装束に身を包み「同行二人」の金剛づえとともにお参りしていると、弘法大師様に見守られているようで心強く、Mさんに参拝の方法、お寺にまつわる話などを聞きながらの巡拝です。家内安全、先祖供養のお札を納め、「般若心経」を皆さんと唱和する姿は美しいなと感じたり、多くの優しい人と出会うなど、まさに癒やしの旅でした。 四国遍路の仕上げは高野山へ参拝し、無事結願したことを報告することです。三月彼岸入りの日、つづら折りの山道を越えて到着した奥の院で、よく一年間頑張ったとうれし涙が頬ほおを伝いました。仲むつまじく夫婦遍路ができ最高に幸せでした。掲載日:2007年(H19)4月25日「ちまたの風」・70歳夫婦遍路

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