mukashi1
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7 ドンブリ カッシリ スッパイポーと流れてきたと。 お婆さんは、桃を拾って持って帰り、櫃ひつ(物を入れる大きな箱)の中にしまっておいた。 夕方になって、お爺さんが山から帰ってきた。「お爺さん、お爺さん、きょう川で洗濯をしていたら、大きな桃が流れてきたんで拾ってきて櫃の中にしまっとる。出して食べなさい」「そうか、ちょうど、のどが渇いとるとこじゃ。よばりょうか」 お爺さんが喜んで、櫃の蓋ふたを開けようとしたが、固くて開かない。押しても引いても、どんなにしても開かないと。そこで、お爺さんは、まさかり(大型のおの)を持ってきて、その櫃をたたき壊した。そうしたら櫃の中で桃が二つに割れて、中から男の子が生まれとったそうな。「こりゃ男の子が生まれとるぞ。お婆さんや、お婆さんや、桃の中から男の子が生まれとる。うちにゃ子どもがおらんから、うちの子にして育てようじゃないか」「そりゃ、うちの子にして育てよう」 お爺さんとお婆さんは、喜んで、桃から生まれたので桃太郎と名付けて、かわいがって育てたと。

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