mukashi2
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14わしを仲間に入れてくださらんか。酒ならなんぼでも持っとるけえ」と言ったところが、鬼は酒が飲める思うて喜んで、「よし、旅のもん、お前を仲間に入れちゃろう」というてくれたそうな。 桃太郎は、酒呑童子をはじめ、赤鬼、青鬼に酒をついで回り、たくさん飲ませた。そのうちに鬼たちは酔っぱらって、ごろごろ、ごろごろ、横になって寝だした。大将の酒呑童子は、最後まで酒を飲んでおったが、桃太郎のつぐ酒で、とうどう横になり、グワラー、グワラーと大いびきをかいて寝だしたそうな。「いまだ、いまだ。いま退治せにゃ退治する時はないぞ。かかれー、かかれー」 桃太郎が、犬、猿、キジに声をかけると、いっせいに鬼をめがけてとびかかった。犬は食いつく、猿はひっかく、キジは目玉をほじくるして鬼をやっつけた。桃太郎は、鬼の大将、酒呑童子の首を刀ではねて退治したそうな。 鬼の館をさがしてみると、これまで村の人から取り上げていった大切な品物や宝物がいっぱいしまってあったと。桃太郎は、それを持って帰って、村の人に渡し、たいそう喜ばれたそうな。 それから桃太郎は、お爺さんとお婆さんと、一生、安気に暮らしたそうな。

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