mukashi2
7/19

7「お爺さん、お疲れさんじゃったなあ。わしが、きょう川で洗濯をしとったら、川上から大きな桃が流れてきたけえ、拾うてもどって、戸棚の中にしもうとる。出しておあがりんさい」「そうか、そんなら桃をよばりょうか」 お爺さんが、戸棚から桃を出して、まな板の上で切ろうとしたところが、桃が、ひとりでに割れて、中から大きな男の子が出てきたそうな。「婆さん、婆さん、桃の中から男の子が生まれたで」「そうか、男の子が生まれたか。うちには子どもがおらんけえ、うちの子にして育てようじゃないか」「それがええ、うちの子にしょう。桃から生まれたけえ、桃太郎という名につけちゃろう」 お爺さんとお婆さんは、桃太郎と名を付けて、かわいがって育てておったそうな。桃太郎は、日に日に大きくなって、すぐに大きな若い衆になった。 ある日のこと、桃太郎が、「お爺さん、お婆さん、このごろ鬼ヶ島から鬼が出てきて悪いことをしていけんけえ、わしが退治しに行こう思うんじゃ」と言ったと。お爺さんとお婆さんは、

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です