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18 米は、小麦、トウモロコシと並び世界三大穀物の一つです。歴史的にみれば、穀物の計画的な栽培、すなわち農耕が食料を確実に、大量に確保する生産活動として人類の発展を支えてきたのです。米、小麦、トウモロコシという食料は、いずれも生産性や保存性、栄養価において優れた食物であったことから、小麦栽培はメソポタミア文明、エジプトさらにはヨーロッパ文明を支え、トウモロコシ栽培はマヤ文明、アステカ文明を生み出したのです。そして、米は、アジアモンスーン地域の稲作文化として、中国長江文明を育み、日本の社会、文化の発展を支えてきたのです。 吉備国の大きな発展も、吉備地方の気候、風土が米づくりに適していたこと、米自体の生産性が極めて高いこと(図1参照)、さらに栄養価が高く、保存性にも優れていたことなどがいち早く農耕社会出現の原動力となったといえると思います。 聖書には「一粒の麦もし地に落ちて死なずば、ただ一つにあらん、死なば多くの実を結ぶべし」(ヨハネによる福音書12章24〜25節)という言葉がありますが、「一粒の籾」は、春の田植えから秋の収穫までの約6カ月の間に、ほぼ1,600粒位まで増え、米の増殖率は大変高いといえます。3 米の力 ─農耕社会発展の原動力吉備国の風景1粒の籾→発芽→→→分げつ(いくつもの株分かれ)ひとつの穂70~100粒の籾従って1粒の籾約20穂×80粒=約1,600粒→図1 1粒の籾が1,600粒にも!もみ18~23穂

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