siawase
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90るが、ええ子じゃけえ、よそから貰わんでもあの子を貰えばええが」と言って、仲人になり結婚させました。 私も妹が来れば力になるからと思っていましたが、やはりある程度気を遣ったのでしょう。八月に長女を産んで十月に妹を貰ったのですが、母乳が出なくなった様な事もありました。 次に、私の弟の時は実家の方で人が色々話をもって来てくれだしたら、父が私と主人に「主人の妹を貰いたい」と申しました。親戚で出入りがありましたから、あるていど妹の事を父も知っておったのです。 「貰うのは良いけれど、やるのは嫁姑の関係があるから、私には良い母でも嫁に対しては分からないから」と、私達夫婦は反対しました。父は「拝んでもらったら、そちらの方角が一番良いと言われた」とか、「親戚が増えたらお前達が大変だから」とか言って、最後には、「お前達から貰うんではない、西阿知の親御さんから貰うんだ」と強引に申します。 又、その話が佐々木家の方へも耳に入り、「あの子なら貰ってもらう」と申します。それと言うのも弟が矢掛中学に在学中、学徒動員で水島へ来ており、倉敷の八王寺、今の西中の近くへ軍需品が入った大きな倉庫の「管理」に弟の学年だけが中庄のお寺へ泊まって、そこから通っておりました。 その事を主人の父が知り「西阿知と八王寺なら相撲取りの一ころびじゃあ、家に連れて来たら」

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